アートフェア等の記事はギャラリー展示を書き終えたら書こうと思いますが、アート@アグネスにワダファインアーツから出展されており、チラシをもらったことで足を運んだ展覧会。会場に入ると、作家さんらしき女性が展示替えについてスタッフさんと打ち合わせをしていた以外は、作品の表層が静かな雰囲気をたたえているのと、築地や銀座の裏通り川沿いというロケーションも相まってか、場内は凪の海のような雰囲気になっていたように覚えています。
出展作品は2パターンで、映画史において象徴的な「部屋」をイメージした彫刻を自ら制作し撮影、それをさらに抽象化した新しいイメージをドローイングとともにアクリル板に転写し、さらにその板を何層にも重ねることで一つの「部屋」を創り出している…そうなんです。制作過程に反するようにノイズのない透明感のあるその箱に見とれてはいたものの、そこまで価値観や素材ともに重厚な作り込みがされている事に、当時は気付きませんでした。どこかのアートフェアに改めて出展されたなら、そのことを留意してじっくりと見たいなぁと思います。
そして、個人的にこの個展が印象の強いものになったのは、この記事に載せている写真が断片である映像作品。一対二体の人形が向かい合う背景で、カーテンが風に動いているからようやく映像だと分かるぐらいの、本当に静かな作品。作品で使用された人形は曰くつきみたいで、聞き間違いでなければ、日本のある場所に纏めて展示してあったものの、戦時中の日本では表には出る訳に行かず、廃棄寸前だったり国外に流出した西洋人形が、改めて再会するというモチーフの映像作品のようで、その事について詳しく書いた新聞のようなものも作品の隣に貼ってあった気がします。この人形自体はモチーフ通りの歴史を辿っている物なのですが、作家さんのコレクションした人形でもあり、目の付けどころの凄さにもビックリするところ。とはいえ、僕の聞き違いで、このエピソードが総て僕の妄想かもしれないのですが。
動きがなくともその意味で楽しめる映像作品というのもあまり見たこともなく、疲れるのであまり映像を見ない(ヲイ)自分でも思わず心奪われて見続けてしまう、求心力のある作品だったと思います。映像作品の方は、ART OSAKA09で再会しました。何かご縁がある作家さんなのかも。

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