《黒い薔薇の裸婦》 1976(昭和51)年 東京国立近代美術館蔵 © KAYAMA Inc
師走を目前に迎え、1年の美術鑑賞を特に印象的だった展覧会やアートフェアを中心に振り返るため、一旦今まで書いていたブログを整理して、書きなおしてみました。先のブログでは、結局感想を書けなかった加山又造展。レトロスペクティブ、回顧展はその作家の画業の総てを要約している場合が多いので、その作家のことを知らなければ感想は書きづらくて当然になるのかなぁと思うけれど。なので、今後のこのブログのやり方でもあるんですが、とりあえず何も考えず直感で適当に書こうかと。
事前に多摩美術大学美術館(多摩センター)でたまに開催される、テーマ性を持たせた加山さんの展覧会を見ていたのですが、それまでは画集、それも日本画の系譜を並べたような物で少し作品を見たことがあるだけの作家さんで、本格的に作品を見たのは今回が初めて。加山さんのご親族である個人的な友人のご厚意もあり、内覧会(1月20日)に参加し、初めて美術館展覧会のテープカットを見てワクワクしていましたが、会場に入った瞬間壁面に掛かる巨大な日本画に圧倒される。国立新美術館って税金使っている割にはあまりに華美でバカデカイ場所だなぁと思っていたけれど、それを余す事なく使える作品が日本画にある事にまずびっくり。
それからは、章立てで制作時期と言うより、テーマに沿って展示が展開していました。作品名や内容については、公式HPが高松への巡回も終わり著作権の問題もあるのか閉鎖していたので、かといって自宅のリビングにあるPCの前で図録を広げるわけにはいかないので割愛。会期中放映された初期代表作の「冬」はもちろんのこと、様々なメディアに描かれた加山印の作品の数々、代表的なモチーフのひとつである裸婦像も多く展示されていたり、水墨画は水墨画でそれを専門に描いている人はだしの質の高い作品を残していたり、あげくCGによる習作まで展示されていたりと、画業という言葉に纏めてはいけないような多才さを、初めてその全貌を見るような僕にも感じさせてくれました。大学で教えていた時期も長くある作家さんではあるのですが、その多才さ故に画に雁字搦めになってしまう(そしてそれが幸せな)、作家としての業が場内を立ち込めていたような気がします。
最後には、加山さんが手掛けた日本画絵画作品以外のデザインワークが展示されていて、着物や陶器への絵付やアクセサリーデザインなどが展示されていました。展示のための台座が林立しているユニークな空間デザインは、建築家の乾久美子さんによるもの。個人的に美人だと思っているクリエイターですが、内覧会に来ていて見れてラッキー。…なのはいいとして、ここまでひとりの人間にやられると、もう加山さんの才能に圧倒されるばかり。会期中、友人を連れていったりと3度も見に行った思い出深い展覧会です。

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