2009年11月30日月曜日

山田郁予展「いいわけ」@高橋コレクション(白金)(09年1月10日~2月7日)



















西尾さんの展示と同日にこの作品を見ていたとは。昨年だったか、三嶋りつ惠さんや森山大道さんが一日二日ながら同時期に展示をしていた清澄白河で感じた事ですが、見たいと思い見に行った美術館で受ける感銘を凌駕する展示が展開される時がギャラリーではたまにあるなぁと。既に国内の現代美術界では評価された作家さんであり、足で探して見つけた展示という訳ではないけど、自分の中になかった価値観を提示されてこれだけ興奮出来るんだから、ギャラリー巡りは止められません。たまに休んでるけど。

支持体はトレーシングペーパーと言う、薄い網状の布見たいな感じなのかな?布と言うには硬い質感のように見えました。そこに描かれるのは、ガーリーと言えばいいのか漫画風と言えばいいのか、そういう言葉を想起させられるような女の子やお花畑。でも、ここ数年の流行りでもう食傷気味な絵に比べると、ある意味幼稚で粗雑な描き方をしている気がしました。そうやって描かれた女の子やお花畑が、抑鬱気味なリズムを持って大きなトレーシングペーパーに叩きつけられてる、そんな感じです。

興味のない人はそれが美術だと思わないだろうという辺り、いかにも現代美術然としているかもしれないし、有無を言わせないその抑鬱さは美術という枠を超えて、「共感」を鑑賞する人に「強いて」いるようにも思います。見る側としての自分が、メッセージを勝手に読み取っているだけなのかもしれないけれど。音楽で言えば、Coccoちゃんや椎名林檎、山本美絵あたりだろうか。

作家のステートメントを見てると、自分を見ないでくれ、作品も出来れば見ないでくれ、作品を見て評価されるのは嬉しいが、私の思うある一線を越えないでくれと主張しているようですが、美術作品を制作し発表する以上は作家自身を見られ、作品にも作家本人にも勝手な解釈が加えられるのが、ワイドショーと芸能人の関係みたいですが、今を生きる、しかもメディアが発達した時代の作家の運命だと思います。

そう言えばこの展覧会以来名前を聞かないのも生々しいのですが、見られる事に割り切りを覚えないで今の作品を作り続けてほしいなぁと思います。僕は好きな作家さんです。理由はない。

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